霊きゅう車(霊柩車)許可と社会保険、労働保険

国の定めた一定のルールのもと、加入が義務となっている社会保険や労働保険。

労働者の適切な労働環境の確保などの問題から、近年、とても厳しく管理を求められています。

強制保険であるにも関わらず加入していない法人や個人事業主に対しては、管轄する厚生労働省の出先機関よりの警告等が行われている模様です。

それでも加入をしない事業者も少なくありません。

霊きゅう車(霊柩車)許可を受け、ビジネスとして霊柩車を動かす上ではどのような影響があるのでしょうか。

霊柩車を動かすためには社会保険や労働保険への加入が必須

霊きゅう車(霊柩車)許可をはじめとする運送事業許可においては、社会保険や労働保険への加入が義務となる団体については、適切に加入したことを証明する書面を求められます。開業前の最終的な書面の提出においてこれを提示できない場合には、正式に開業とはなりませんので、知っておく必要があります。

社会保険や労働保険においては会社の負担部分というものがあり、従業員毎の給与以外の部分で会社が負担するべき金額があり、運用だけでも馬鹿にならないのも事実です。

これ故に事業規模の小さな会社などでは、加入しなくてはならないにも関わらず加入せずにいる会社も多いと聞きます。

しかし、霊柩車ビジネスにおいてはこれは許されません。霊柩車を動かすための一つの要件とされているからです。

もっとも、加入が必須というのはあくまでも一定のルールに合致する事業者の場合であって、これに含まれない事業者であれば必ずしも加入が必要というわけではありません。

社会保険への加入が必要なケースとは

社会保険には加入が義務となる強制適用事業所と、任意にて加入が可能な任意適用事業所とに分かれます。

霊きゅう車(霊柩車)許可を受ける上にて大きな問題となるのは、前者である強制適用事業所の場合。

強制適用事業であるにも関わらず加入をしない場合には、霊柩車を動かしてビジネスを行うことはできないと考えてください。

★ 適用対象の事業所
  (1)事業主を含んで従業員が1人以上在籍する会社、国、地方公共団体並びにその他の法人
  (2)常時雇われている従業者の人数が5人以上でサービス業、農業、林業、漁業を除いた個人事業

どうですか?霊柩車ビジネスを開業したい会社などの事業体は上記に当てはまりますか?

当てはまる場合には、社会保険への加入が義務です。

加入したことが確認できなければ、開業することはできません。

ちなみに既に設立済みの法人で加入が済んでいない場合でも、実際に霊柩車を開業する前までに加入することで問題無く手続きを行うことが可能です。

労働保険への加入が必要なケースとは

まず、労働保険とは大きく2つの保険に分かれます。

一つが労災保険。仕事中にケガをしてしまった際などに支給される保険のことです。

もう一つが雇用保険。失業した際に離職事由や雇用年数などに応じて支払われる保険です。

これらの2つの保険についても加入が義務となる場合においては、適切な加入状況が確認できないと霊柩車を動かすことができません。

★ 労災保険への加入が義務となる事業所
   事業者の家族を除く従業者が1名以上いる場合には加入が義務となります。
   社会保険と異なって、法人や個人事業といった区別はありませんので、この条件を満たす事業者は加入が必要です。

★ 雇用保険への加入が義務となる事業所
   雇われている従業者がいる場合で、一週間の労働時間が20時間以上あり31日以上の継続的な雇用が見込まれている従業者がいる場合には加入が必要です。
   こちらも同様に法人や個人事業といった区別はありませんので、条件を満たす事業者は加入をしてください。

霊きゅう車(霊柩車)許可を受ける際には社会保険などの運営費用も見込んで

霊柩車ビジネスを運営するに当たって社会保険や労働保険への加入が義務となる旨は前述のとおりですが、これを理解していても運用開始後に実際に要する費用までをシミュレーションされている会社は少ないように感じています。

勿論、我々のサポートの中では細かな点もご案内をさせていただいておりますが、運用後にボディーブローのように地味に効いてくるのが社会保険料です。

開業後すぐに大きな収益が上がる見込みの会社さんは気にすることはないのかもしれませんが、社会保険料の会社負担率はとても大きいです。

しっかりとシミュレーションをした上で、開業資金の準備などを進めていただければ良いものと考えております。

電話番号