霊きゅう車(霊柩車)許可は運送事業!車庫は慎重に選ぶ

霊きゅう車(霊柩車)許可は貨物自動車運送事業許可の一部であって、霊柩事業での運行に限ると言った限定が付いているだけ。

従って、基本的な要件は変わりません。

となると、車庫に関する規制も同様に受けることになります。

運送業の場所選びって大変だって聞いたことありませんか?

見ていきましょう。

霊柩車の車庫を構えられる位置はどこか

霊きゅう車(霊柩車)許可において、車庫はなくてはならないものですが、どこでも設置が認められているわけではありません。

特に気を付けなくてはならないのが営業所や休憩室からの車庫までの距離。

関東運輸局管内では原則として営業所と車庫を隣接することを促しています。とは言っても、必ずしも車庫と隣り合わせで準備ができるとは限りません。それに、運用上の利便性を考えて別の場所にしなければならないケースだってあります。

そこで、一定の規則が設けられ営業所からの許容される距離が定められております。

東京都23区、横浜市、川崎市においては、営業所から直線距離で20km以内、前述の地域以外では営業所から直線距離で10km以内に車庫を構えることで営業所と車庫との距離関係は認められます。

直線距離で10km以上って結構、範囲が広くて余裕ではないでしょうか。

そもそも、この規程はトラック事業にも適用されてますから、とっても広い車庫が必要なケースやいくつもの場所に車庫を構えなくてはならないケースも想定されています。

しかし、霊柩車に限定した許可の場合にはどうでしょう。

少なからず我々の開業サポートにおいて許可を取られた会社さんでは、運行管理者を選任する必要がない4台以下ばかり。しかも、霊柩車って一般的な車両のサイズ+アルファですから、トラックのようにバカでかいわけではありません。

距離的な制限にかかるケースって、余程の内容であると考えます。

霊柩車を保管する車庫は営業所と同様に法令の制限の対象

車庫の設置に関する要件の中で、近年ではあまり気にされなくなった感がハンパない要件がこれ。

要は、営業所確保の部分でも説明をした「他法令への抵触の有無」です。

他法令とは、都市計画関連法令や建築関連法令、消防関連法令などを言います。これらに抵触がある場合には、車庫としての使用が認められずに許可を受けることができません。

近年ではあまり気にされなくなったというのは、有蓋車庫(いわゆる屋根付きの車庫)の制約が緩和され、今日では無蓋車庫(屋根の無い車庫)で許可を受けることができるようになったから。

これ故に、建物などを設置せずに、更地にて車庫を確保するケースが圧倒的に増えました。トラック事業者においては都度、屋根付きの車庫を用意しているのではとんでもないお金を要することになってましたので。

そして、金銭面以外でのもっともっと大きなメリットが他法令への抵触がほとんどないということ。

建物を建てませんから、都市計画法や建築基準法などの制限も受けづらいですから、気兼ねなく車庫を構えられます。

ただ・・、肝心な霊きゅう車(霊柩車)許可の場合はどうでしょう。

要件としては勿論、前述のとおりですが、実用面ではガレージや屋内車庫に保管するケースも多い。

となると、他法令への抵触も意識していただく必要が出て来てしまいます。

規制の厳しい地域では屋外の車庫を用意したらどうかとご提案させていただきますが、洗車時間が多くなってしまうなどの業界独特の事情もあるようです。

確かに、汚い霊柩車にご親族をとなると、ちょっと、抵抗がありますからね。

霊柩車が出入りするための車庫の出入口

霊柩車をはじめとする貨物運送事業許可を受けるための要件として前面道路の幅に注意が必要です。

その詳細は車両制限令という法令に定められますが、使用する車両の幅、道路管理者側の管理の内容によって認められる道路幅が異なります。

今までの我々のサポート経験上で言えば、霊きゅう車(霊柩車)許可に関しては道路幅が6メートル以上あれば問題ないと考えます。

これに満たない前面道路の車庫の場合には、良く法令と照らし合わせた上で道路管理者と相談し決めてくださいね。

我々のサポートにおいてもコンサルティングには力を入れている部分です。

全ての霊柩車をしっかりと保管できるのか

これは基本中の基本のことなので、念のため。

使用する霊柩車が収まる車庫であるかどうかってことです。収まらない車庫を用意したって意味ないので、本当に基本のこと。

ただ、霊きゅう車(霊柩車)許可においては車両の前後左右に50センチメートル以上の余裕を持たせないといけません。

霊柩車ビジネスにおいてはあまり聞いたことがないですが、コインパーキングのような車庫だったり、月極でも車両が密接しているような車庫だったりする場合にはこの辺も意識して確保してくださいね。

特に都会で開業される会社さんは要注意ですよ!

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